さて、今回は復習のタイミングについてのお話。勉強を進める上で避けては通れない復習という作業ですが、一体いつ復習するのがいいかということをしっかりわかっている人は意外と多くありません。
学生時代に復習について考え抜いた私が効率のいい復習法についてじっくり解説していきます!
結論
先に結論だけを書いておくと、最善の復習のタイミングは人によります。
これは紛れもない事実です。当たり前と言えば当たり前ですね笑
ですがこれはあくまで「最善の」タイミングについてのお話です。
効率的な復習のタイミングの考え方については明確な回答が存在します。以下で具体的に解説していきます!
忘却曲線の嘘
まずは復習というワードと切っても切り離せないこの忘却曲線の話題から。忘却曲線とはこんな感じのものです。
この図はエビングハウスという心理学者によって行われた実験についての結果になります。
エビングハウスの忘却曲線って聞いたことがあるかと思います。
この実験の解釈としてよく言われているのが、「復習をしないと覚えたことを次の日にはほとんど忘れていて、その次の日にはほとんど覚えていない」というものです。
これは実は間違ってます。どこが間違っているかというと「次の日にはほとんど忘れている」という部分ですね。
一体どういうことでしょうか。本来の忘却曲線の実験から振り返ってみましょう。
以下に概念図を示してみます。
本来の忘却曲線の実験は無意味な記号の羅列を暗記するための時間を測ったものでした。そして次の日にまた同じ無意味な記号の羅列を暗記するための時間を測ります。上に示した赤いグラフはその時間の比率を表しているのです。
例えば記号の羅列を覚えるのに初日は2時間かかったとしましょう。
さらに次の日に同じことをすると90分で覚えることができた場合、初日に比べて40分=1/3だけ時間が短縮されていますね。
この短縮された時間を「短縮率」と呼びます。
エビングハウスの実験結果は短縮率を縦軸に取ったものでした。
ここに大きな勘違いがありまして、忘却曲線の縦軸は記憶量ではないのです。短縮率を表しています。
つまり忘却曲線とは覚えた量ではなく、もう一度覚え直すのにかかる時間の割合を表しているグラフなのです。
何もしないと日が経つにつれて覚え直すのにかかる時間は増えますよね?これはすなわち短縮率がどんどん減っていくことを意味しています。
しかし、定期的な復習が大事という結論は変わりません。これを踏まえて「もう一つの忘却曲線」について紹介してみます。
もう一つの忘却曲線
実は忘却曲線に関する研究にもうひとつ興味深いものがあります。
ウォータールー大学という大学が行った実験です。
エビングハウスの実験と異なる点は被験者に毎日復習を行わせたという点です。
ウォータールー大学の研究結果はこちら
この実験もエビングハウスのものと同じように覚え直しに関する短縮率を示したものになります。
エビングハウスの実験をいかにも裏付けるような実験になります。この実験によれば、定期的な復習は学習にかける時間を大幅に短縮することがわかります。
では結局いつ復習を行えばいいのでしょうか?
復習のタイミング
ここまでで、なるべく定期的に復習を行うことで暗記が効率的に行えることが分かりました。
では実際にいつ復習を行えばいいでしょうか?
最初に結論で述べたように、人によります。具体的な数字を出せなくて申し訳ありませんが、これが事実です。
正確には、覚えたことを忘れてしまうギリギリで復習を行うことが最も効率的であると言えます。
記憶は自分の中から引っ張り出す時が最も定着しやすいと言われています。
なるべく少ない時間で復習を行うためにはこのギリギリのタイミングを狙うことで最も復習の回数が減ります。
しかし、このギリギリのタイミングというのは覚える内容や人によって大きく変化します。
これが人によるという最初の結論の理由になります。
このまま終わってしまっては何も解決していないのと一緒ですね笑
そこで私が考える復習の仕方について二パターン紹介していきます!
①復習のタイミングを固定する
まずはとても単純で簡単な方法から。シンプルに復習する頻度、期間を自分で決めて学習を行う方法です。一般的に知られている方法と一緒ですが、ポイントは一回目の復習は絶対に一日以上空けないことと三回以上の復習を行うことです。
一つ目のポイントについて。一回目の復習はサラッと見返す程度でも良いので必ず翌日に復習を行うことが大事です。
エビングハウスの忘却曲線からもわかるとおり二日以上空けると最初からもう一度学習を行うのと大差ないくらいの理解量まで落ちてしまいます。これは非常に勿体無いので絶対に避けましょう。
二つ目については私の実体験に基づくものです。個人差は確実にありますが、私としては同じものの復習を三回以上行うことをお勧めします。
復習は習慣化してしまうと行うのが非常に容易になります。
習慣化についての記事も公開しているのでぜひ参考にしてみてください!
【習慣化】勉強は継続が命!〜続けるのではなく勝手に続いてしまう方法4選〜
②最適な復習のタイミングを見つける
先ほど忘れるギリギリのタイミングは個人差があるという話をしました。
このタイミングを見つけてしまおうというのが二つ目の方法です。
私が実際に行っていた手法を紹介します。
例えば英単語を覚えたいとします。
英単語を50個一度覚えます。12時間後にその50個の単の意味を思い出せるかを頭の中で考えてみます。
もし全く思い出せなければ別の50個をもう一度学習したのちに8時間後思い出せるかどうかを考えます。
それでも難しければ4時間後と時間を変えてどの段階まで自分が記憶として持っていられるかを二日くらいかけて調べてみるという方法です。
ポイントは「完全に単語を忘れてしまうタイミングはどこか」を探ることです。
このタイミングの直前に復習をするのが一番効率的なのです。
さらにもう一つ大事な点が頭の中でサラッと考えるだけでいいという点です。
全くわからなくなってしまうタイミングを探るのがこの方法の重要なところなので意外と簡単に済みます。
少しでも思い出せる場合はもっと復習の頻度を落として問題ありません。
この時間帯を発見すればあとはその時間通りに復習を行うだけなので非常に簡単です!
お勧めは英単語暗記、数学、物理、などジャンルごとに復習のタイミングを探ってみることです。
自分の記憶力は一度わかってしまえば基本的に大きく変動はしないです。そのため今後ずっと役に立つので一度時間をとってやってみることをおすすめします!
復習タイミングは自分で見つけるのが最善!
今回は復習法についてのお話しでした! 少し難しい話にもなってしまいましたがまとめれば自分のタイミングを見つけよう!ということです。当たり前ですけどね笑
では、一緒に頑張っていきましょう!
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