今年(2021年)の夏、東大情報理工システム情報専攻を受験し合格しました。
外部からかつ、学部を変えての受験でも9割越えの点数を取ることができたのでその対策について総括したいと思います。
こちらの別記事にて外部からの受験生が注意するべき点について解説しています!
主に使用した参考書や大まかな流れについて解説していきます。
詳しい解説は各リンク先に貼っているので気になる方はそちらもどうぞ!
具体的な対策の前に受験の感想について知りたい方はこちらに詳しく記載していますので参考にしてください
【東大院試】外部から合格した大学生が教える情報理工対策法〜受験感想編〜
東大院試成績開示
まず初めに成績開示から
点数だけを記載しておきます。
英語(TOEFL iBT) 73/120
共通数学 201/300
専門科目 196/200
以上のような結果でした
専門科目においてなんと98%の得点率を取ることができました。
院試は7割取ればどこの研究室でも合格できると言われています。
私の総合得点率は8割ということで比較的参考になるかと思います。
情報理工学系院試受験科目
受験科目について軽くまとめておきます。
まずは、情報理工学系全体の共通科目なのが
- 研究計画書(志望理由書)
- 英語(TOEFL iBT)
- 数学(✳︎)
✳︎創造情報学専攻のみ数学試験をプログラミング試験に代替することができます。
の2科目(+研究計画書)になります。そのほかに専攻ごとに異なる専門科目を受験します。
各科目の得点割合についてですが、正確なところは公開されていないのでわかりません。
しかし、英語試験はそこまで重視されず数学と専門科目が重視されるというのは間違いないと思われます。
研究計画書の書き方については以下の記事で丁寧に解説しています。
院試研究計画書の書き方って?【例文つき】〜東大院合格者が教えます〜
具体的な院試対策
ここからはそれぞれの科目の対策について詳細に解説していきます!
英語対策
私はそこまでTOEFLが高くないのであまり偉そうなアドバイスはできませんが、高くないからこそ、ある程度のスコアに到達するための勉強には詳しいです。
英語試験の比率が低いと言われている以上、院試合格のためには英語の勉強時間は最小限に抑えたいですよね。
情報理工の院試では80点を取れば十分と言われています。
ですので、すでに80点を取得されている方はあまり英語に時間をかける必要はないでしょう。
私は二回TOEFLを受けたのですがそれぞれ77点と73点でした。
そこまでに行ったのは単語帳と過去問演習、一日30分の英会話を繰り返すことのみです。
詳細は以下のリンクを読んでいただければわかりますが、TOEFLの特徴はアカデミックな単語と特殊な問題形式の二点です。
単語を詰めて演習を繰り返せば誰でも70点程度に乗せることは難しくありません。
単語帳はこれ一択です。
使用したオンライン英会話はこちら
無料で体験ができるのでそれだけ試すのもおすすめです。
詳細な解説はこちら
【東大院試】大学院試験に向けてのtoefl徹底解説〜受験時期に注意!〜
数学対策
次に数学対策です。
情報理工学の共通数学は難しくありません。これもやることはシンプルです。
マセマ→黄色本例題→過去問演習です。
それぞれ軽く解説します。
マセマ
大学生なら一度は見たことのある演習書かと思います。
情報理工学の共通数学は広く浅く問題を作ってくるので苦手分野は作らずに幅広く学習することがおすすめです。
ただし、分野によって確実に出題頻度は異なるので詳しくは以下のリンクをご覧ください。
過去13年分の過去問の出題頻度から詳細に考察しています。
どの分野を重点的に対策すべきかが全てわかります!
【東大院試】東大合格者が教える超高コスパ対策法〜数学編後編〜
黄色本
正式名称は演習大学院入試問題と言います。
各分野ごとに例題と演習問題の二種類から構成されています。
非常にいい演習書ですが情報理工の共通数学と比較すると若干難易度が高いです。
ですので例題だけ解けば良いです。十分過去問につながる力がつきます。
詳しい使い方はこちらから
【東大院試】東大合格者が教える超高コスパ対策法〜数学編前編〜
過去問演習
個人的な意見として過去問演習は早めに行うべきです。
解く、解けないは別としてどのような雰囲気かということを知ることができるからです。
後日過去12年分の過去問の解答について取り扱おうと考えていますので気になる方はお待ちください!
専門対策
ここからはシステム情報学専攻についてのみのお話になります。
システム情報学専攻は次の五つの専門科目から二つを選択します
信号処理、電子回路、制御工学、コンピュータシステム、力学
私は本番の試験では制御工学と力学を選択しました。
今年の試験はイレギュラーで試験時間が合計50分と異例の短さでしたが、通常は2時間の長丁場の試験になります。
細かい対策法についてはこちらの記事で詳細に解説しています!
参考書の使い方から、どのようなスケジュールでこなせばよいかという点、さらに実際の試験の感想も含めて徹底的に解説しました。
さて、話を戻すと外部から受験する方は分野を絞って勉強することをお勧めします。
ただでさえ情報が手に入りにくい院試において内部生が行っている対策法を全て行うことはなかなか時間的に厳しいからです。
実際に私は制御工学とコンピュータシステム、力学の三分野に絞って対策を行いました。
ここでは使用した教科書を記すのに留めます。
制御工学
この二冊で過去問は6~7割解けるようになるはずです。
さらにこちらのyoutubeチャンネルも非常に参考になります。
制御工学はかなりコスパがいい科目だと思うので選択することをおすすめします。
コンピュータシステム
二冊目の本(通称パタヘネ本)はかなりページ数が多く挫折しやすいですが、これを読み込めば過去問は全てできるようになります。
力学
力学分野は過去問の傾向が定まらず正直対策が難しいです。
私は学部が物理系だったこともあり力学を選択しましたが、そこまでおすすめはしません。
上記の演習書を一通り解いたあとはひたすら過去問に当たって訓練を積むのが良いかと思います。
院試計画
ここからは私の実際の体験をもとに、院試までどのようなペースで勉強を進めていけばいいかについてのお話です。
大前提、院試の勉強を始める時期や能力は人によってかなり個人差があるので以下の話は理想だと思って読んでみてください。
〜4月 英語試験の受験
まずは4月の終わり頃までにTOEFl IBTを受験しておきましょう。
これは数学や専門科目の対策に早めにうつるためでもありますが、英語試験のスコアシートは手元に届くのに非常に時間がかかることが一番の理由です。
出願の際に英語のスコアシートがなくて出願できない、、なんてことは絶対に避けたいですよね。
英語は早めに受験!と覚えておいてください。
ちなみにどんなに遅くても5月終わりまでに受けておかないと出願できなくなりますので注意です。
5月~6月 数学インプット〜過去問へ
5月は数学の知識で抜け落ちているところをマセマで確認しつつ黄色本に取り掛かりましょう。
マセマは時間がそんなにかからないので早々に済ませ、黄色本で演習をたくさんすることをお勧めします。
そして6月に過去問を一度解いてみるとなんとなくの感覚がわかるのでその後の勉強の目安にもなります。
詳しくは上で紹介した数学対策編の記事で紹介していますが、この段階では過去問は解けなくても問題ありません。
7月 数学過去問演習、専門科目対策開始
一通り黄色本が解き終わったらいよいよ本格的に数学の過去問の演習に入ります。
過去問はおよそ15年分ほどありますので一日1年分ずつ解く→復習の流れを作ると二週間で終わらせることができます。
残った期間は専門科目の知識のインプットを行いましょう。学部を変える方でなければある程度の知識はあるでしょうから問題ないと思います。
問題は学部を変えることで専門科目の前提知識が全くない人です。私もこのタイプでした。
その場合はまず、知識よりも問題を解けるようになる訓練をしましょう。具体的に言えば教科書よりも演習書をひたすら解いて問題ごとに解き方を暗記することです。
考えてみてください。約2年かけて専門知識を学部で習ってきた人たちと戦うには正攻法では勝てません。
まずは解法暗記、理解は二の次です。
私は7月の半分はひたすら制御工学の演習書を解いて解法暗記を行っていました。
8月 数学最終チェック、専門科目過去問演習
8月です。いよいよ本番が近づいてきます。
焦らず専門科目の過去問演習に取り掛かりましょう。
7月までにある程度の演習あるいは知識のインプットができている方ならこの段階で半分くらいは過去問が解けるようになっているかと思います。
間違えた箇所をその都度確認しつつ1日一年分解いて行きましょう。(余裕がある方はもっとやっても良いでしょう。)
全部解き終わる頃にはおそらく試験一週間前くらいになっているはずですのでそこからは最終チェックです。
自分の苦手分野を確認して徹底的に潰しておきましょう。
そして最後にアドバイスです。
院試は大学受験とは違います。倍率がものすごい高いわけではありません。
このブログで紹介していることを参考にしつつ素直に勉強すれば合格できるはずです。
頑張ってください。
対策を怠らなければ高得点は難しくない
今回は東大の院試に対して用いた参考書をまとめました!
適切な方向へ努力すれば院試は満点さえも狙える試験だと思います。
一緒に頑張っていきましょう!
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